高知市の土佐山からこんにちは。
東京生まれで無類の田舎好きの編集長小川です。
小学校の低学年のときから自転車で渋谷や新宿へ遊びにいき、高学年になると秋葉原でPCやゲームを物色する生活を送っていた編集長にとって、「田舎」というものは特別な存在なのです。
4年前に横浜から高知市に引っ越してきた編集長が、癒されにいく村があるんです。今日はそんな編集長お気に入りの「旧土佐山村」を紹介しちゃいたいと思います。
高知市民でもほとんどのひとが行かない「旧土佐山村」の魅力

こういうヴィレッチマップにキュンキュンしちゃいます。
かつては高知県土佐郡土佐山村でしたが、平成の大合併により高知市土佐山地区になりました。なんと、村から市へ2段階もステップアップ。個人的には地区よりも「村」のほうが好きですが。
そんな土佐山地区は、高知市のイオンモールから車で北に20分ほどのところにある山間にあります。はじめて土佐山地区へ行くひとは「この先に人が住んでいるんだろうか?」と一瞬疑ってしまうことでしょう。

ご覧のとおり、山間地域のため家々は山の斜面に建てられているのです。
高齢者にはいい運動になりますが、足腰が弱いひとにとっては住むのに少々不便かもしれませんね。とにかく平坦なみちが全くなく、坂をのぼるかくだるかのどっちかしかありません。

ご覧のとおり、斜面に家々があるので山をのぼっていく道幅も狭くなってしまいます。車のすれ違いはほぼ不可能。まあほとんど車が走っていないので、すれ違いの心配もほぼないかと。
じつは土佐山地区に来てからすでに30分経過しているのですが、誰ひとりとして土佐山地区の住民に会っていません。なんだか少し不安になってきた編集長です。

ところどころで生活をしている形跡あります。
玉ねぎを床において干しているんですね。さっきまでこの家の住人が作業をしていたと思いますが、ひとの気配はまったくありません。「みなさーん!どこにいるのですかー!?」(家の中ですね、、、)って叫びたくなってきました。

そとにある流し台。おそらく湧き水をひいて野菜などを洗うのに使っていたんだと思います。
見る限り最近は使っていないんだと思います。この湧き水使いたい放題というのは山間部にすむ人々のメリットですよね。都会にいたらまずできないことです。「うらやましい~」って声が聞こえてきそう。

ちなみに山間部にはこのような湧き水がちらほらあります。
ここはおそらく共用で使用できる湧き水だとおもいます。こういう豊さも山間部の魅力ですよね(うっ、うらやましいー)。
じつは編集長は山間部を走っているとき、こういう湧き水を飲んでいるひとを見かけたことがあります。わたしも真似して飲んでみたことがあるんですが、山間部に住んでいる高知県民に聞いてみたところ「飲んでもいいけど、お腹壊してもしらんで!」とのこと。あくまで自己責任ということで。

あの家はどこから行けばたどりつくのかなあ。
山間部にはほとんど平らな土地がないので、家を建てるのもほんと大変そうですよね。

この診療所はすでに閉鎖されている模様。ちかくに「土佐山へき地診療所」という新しい施設があったので、診療所がないということではないみたいです。山間部での医療施設問題は切実ですからね。

診療所の運営が厳しくなるのもわかります。
さきほどから土佐山地区を歩いていると、いたるところに空き家があります。こちらの建物もずいぶん前からひとが住んでいないのでしょうね。高知市街地ではあまり見かけない廃屋が土佐山地区では多くみられるのも、山間部での暮らしを物語っています。
なんがか寂しい気もしますが、完全に土佐山地区の風景の一部と化しています。

土佐山地区の人口は972名(2017年1月現在)。
その1000人弱のひとびとの食を支えているのがこちら「とさやまストア」。お店には地元住民に必要なものだけが売っていました。こういう山間部のスーパーに行ったことがないひとにとっては驚きかもしれませんが、「これしか商品置いてないの!?」とおもうと思います。
調味料なら塩や砂糖は2袋。パンも10種類ぐらい。牛乳は1リットルが3本。
おそらくこれぐらいの量があれば、地元住民の需要にこたえることができるのでしょう。

6月とは思えない暑さだったので、アイスを食べてぶらぶら歩くことにします。
それにしても住民が誰もいません。1時間ぐらいぶらぶらしているのですが、スーパーの店員さんとしか会いませんでした(編集長が怪しいからそとにでなかったのでは!?)。
便利な都市で忙しい人々。不便な田舎でゆっくり過ごす人々
高知市に移住してきて4年目になる編集長。
横浜に住んでいるころは、生活に必要なものはすべてそろっていました。自転車に乗ってネットで話題のお店にもすぐ行けました。車がなくても全く困らないところで住んでいました。
しかし、「便利」な世の中であるがゆえに「サービスの質と量」が求めれる社会でもあります。わたしが仕事をしていたスポーツクラブも、朝7時から0時近くまで営業していたので、家族が寝静まっているのに、わたしひとりが職場でサービスの質に厳しいお客さんからクレームの嵐を受けていました。
テクノロジーの発達のために顧客満足の質があがり、企業は必至にサービスの質を向上させるというスパイラルが続くのです。

田舎ではサービスの質をあまり求めない
田舎は不便。これがあたりまえ。
バスの最終が18時台という地域もよくあります。田舎は夜遅くまでお店を開けておく必要がないのです。開けてても人がこないからです(市内の居酒屋やスナックは別ですが、、、)。
基本的に家でご飯を食べて、家で晩酌します。ということは田舎のひとびとは夜おそくまでサービスを受けないかわりに、サービスを提供する必要がないのです。
横浜と高知の違いはここなんです。
しかし、高知市街ではスーパーが24時間営業だったり、0時まで営業するドラックストアが増えています。個人的には歓迎しない流れになってきていますね。サービスの質や量が向上するかわりに、誰かにその労力がかかってきているのです。
今日は土佐山地区をあるき、そんなことを考えました。誰かを楽にさせようと働くけど、その楽が行き過ぎているこの日本に歯止めがかかって欲しいとつくづく思う編集長でした。
横浜市から高知市へ35歳で移住した田舎暮らしに憧れる編集長の小川みのる(@Twitter)です。1部上場企業を退職。家族の介護の為に高知へ。「よさこい、お酒に寛容な県民性、高知らしいレトロな建物」が大好き。サラリーマンをしながら日夜執筆活動をしています。次の世代へわたしの好きな「高知らしさ」をバトンタッチするためにウェブジャーナルを運営中。趣味でトレランをしています。