高知市上町4丁目からこんにちは。
1週間以上にわたり、高知県をふくめ西日本では記録的な降雨となりました。編集長小川が住む高知市では幸いにも大きな被害はありませんでしたが、高知の重要なライフラインである「高知自動車」の橋(2つある内に1つ)が土砂崩れにより崩壊してしまいました。
1日でも早く復旧し、元通りの生活が送れるようになることを願っています。
さて、高知市の「朝市」といえば「土佐の日曜市」と答えるかたがとても多いと思います。旅行雑誌やネット情報などでも「高知県の定番観光スポット」といえます。
しかし、意外に知られていないのが、高知市の朝市は4つあるということです。実はわたしも高知市に移住して最初の1年は「土佐の日曜市」以外知りませんでした。
そんな新人高知県民でも知らなかった「日曜市」以外の朝市を紹介したいと思います。
まず観光客には会わない地元民だけの朝市「火曜市」の魅力

ここは「火曜市」が開催されている高知市上町4丁目です。
「土佐の日曜市」にような中心街ではなく、「ほぼ住宅街」で行われているのがこの「火曜市」の特徴だとおもいます。
そして、その住宅街にある昔ながらの水路に「戸板」を敷いてお店を設営されているのです。写真を見ていただければお分かりになると思いますが、お店の正面は写真右手にある細い道路側なんです。

こちらがお店の正面側。
ご覧のとおり、お店の裏側は車が結構通る車道。そして、お店の正面側は車の通らない「歩道」なのです。もともと道路に柵のない水路があるため、道路と歩道が視線に分かれているのです。
その水路に戸板を敷いてお店を出すというのはとても合理的ですよね。この水路のある道路の有効活用だと思います。

戸板を敷いている水路は見た目とても綺麗です。
編集長もこの上町4丁目付近はよく通るんですが、地元の小学生たちがこの水路で遊んでいる姿をみかけます。高学年ぐらいの子供たちがジャンプで度胸試しをしていますよ。

お店の設置のしかたはこんな感じです。
戸板がギリギリな感じなんですね。水路のうえでお店をするなんてなんだか不思議な気分。でも夏は涼しそう。

今日の高知は30℃以上の真夏日。
お店にも高知の強い日差しからお店の商品を守るための日よけがしっかり張られていました。お店の中は日陰になるので涼しそうでしたね。

7月上旬の高知の火曜市ではこんなものが売っています。
どのお店もそうですが、この長雨のせいでだいぶ野菜の収穫ができず、お店に並んでいる商品も少ないとのこと。それでも関東ではあまり見かけないような野菜なども並んでいました。

にんにく、にらは定番で商品に並んでいますね。
お店からはたくあんやニラの香りがして、編集長の食欲が大いに刺激されてしました。まだ10時なのにお腹がすいてしまった(汗)。
山﨑さんがつくる野菜のお店

こちらのお店ではおじいちゃんが夢の中。30℃以上の真夏日ですが、陽射しの影は結構涼しかったので、このおじいちゃんもそんな気持ちのよいひと時を過ごしていたことでしょう。
となりではおばあちゃんが一生懸命働いている姿がちょっと微笑ましかったですね。

さっそく編集長も買い物モードに突入。
この夢の中のおじいちゃんのとなりで一生懸命働くおばあちゃんのお店で野菜を買うことにしました。連日30℃以上の夏日続くようなので、白うりと小茄子で浅漬けを作ろうとおもいます。

こちらの店主は「山﨑さん」。
山﨑さんが作るのは高知県の特産品が多いのが特徴。このみょうがなんかは全国に出荷をしている高知県の特産品の中でも優等生。そうめんの薬味には欠かせないメンバーですよね。

おっ、おじいちゃん復活!!
おばあちゃんに「しろうりと小茄子」をお願いしました。しろうりは1袋100円なんですが、ひとつと言ったらこっそりふたつ入れてくれました。きっとわたしが標準語で話すから観光客だと思ってサービスしてくれたのでしょうね。
おもわず「おばあちゃんしろうり1つしか頼んでないよ」って確認しちゃいました。

おかげで100円でしろうりを4本ゲット。ということで、今日は帰宅したらきゅうりの酢の物ではなく、しろうりの酢の物を作りたいと思います。おばあちゃんほんとありがとう!!
一栁(いちやなぎ)さんがつくる冷やしあめとレモン水

こちらは高知らしい冷やしあめや立ち食いができるトコロテンを販売している一栁(いちやなぎ)さんのお店です。

夏に嬉しい「氷で冷やされている”冷やしそうめん”」や、具材やスープが付いており、袋から開けたらすぐに食べれるうどんそばセットです。「世話なし」っていうネーミングがいいですよね。
わざわざ薬味をカットする必要もなし。スープをお水で足す必要もなし。忙しい主婦の方々には重宝されるんでしょうね。

トコロテンなんかは、その場で付き棒を使って袋づめをされています。しかも、袋には氷も入れてくださっているので、すぐに食べなくても近所の方なら自宅に持ち帰って冷え冷えのトコロテンが食べれるのです。

このトコロテン、「立ち食いができる」と書いてあるのですが、立ち食いするひとはカップなどで作ってくれるんでしょうね。わたしはそんなこも知らずこの袋のまま食べたんですが、袋の底からトコロテンをなかなかすくえず苦戦しました。
この袋は自宅で食べるようだと思います(笑)。でもとても美味しかったです。

こちらの冷やしあめとレモン水。ずいぶん量が少ないので聞いてみたところ、午前10時にしてかなり売れてしまったようです。
わたしがこのお店にいる間も、
男性のお客さん:「レモン水ちょうだい~!」
一栁さん:「どうぞ~」
男性のお客さん:「ゴクゴク、、、レモン水もう一杯ちょうだい~」
一栁さん:「はいはいー!」
と、こんな具体で夏場はどんどん売れていくわけです。編集長もかなりのどが渇いていたのでレモン水を1杯いただき、さらにレモン水おかわりしました。コップに溢れんばかりになみなみ入れてくれる一栁さんのサービスもうれしいですね。

そんな店主「一栁(いちやなぎ)良子」さんにお忙しい合間でインタビューさせてもらいました。
編集長:一栁さんは朝市に出店してどれくらい経つんですか。
一栁さん:もう50年近く経つかな。
編集長:50年ですか!?すごいですね。一栁さんは火曜市以外にも朝市に出店しているんですか。
一栁:全部でてますよ。日曜、木曜、金曜ってね。
編集長:全部でてるんですか。日曜市で何度か飲んだ冷やし飴は一栁さんのお店だったんですね。気づきませんでした。ちなみにわたしは高知に移住してきたんですが、高知はいいところですよね。
一栁さん:でも高知の女性は強いでしょー!?
編集長:そうですね(苦笑い)。
一栁さん:高知のひとは人情味あふれるひとが多いからきっとこれからも楽しく暮らせると思いますよ。
結構、お客さんもいたんで質問もそこそこにお店をあとにしました。
火曜市には昔ながらの「人情」が残っている温かい朝市

地元ではない方が朝市にいくと、お店のかたと会話をせずに商品を買うことがあるとおもいます。
お店のかたも愛想よく呼び込みをするわけでもないので、こちらから声をかけないと会話は始まりません。もしこの記事を読んで「火曜市」に行ってみようと思った方はぜひお店のひとに話しかけてみてください。
「これどうやって調理すると美味しいですか!?」なんて質問をすれば、お店のかたもニコニコしていろんな調理法を教えてくれますよ。そんなやり取りが火曜市やほかの朝市にも共通した楽しさなんだと思います。

お店の数もすこしずつ少なくなってきているそうです。
しかし、ここには何十年もお店を出し続けている「高知の達人たち」がいます。漬物の達人。田舎寿司の達人。干物の達人。野菜づくりの達人。
そんな高知の深いところまで知り尽くしている方々が出店を断念しているという話を聞くと残念に思うのです。
わざわざ火曜市に行くのは面倒くさいと思うひとが多いと思いますが、わざわざ通う価値はあると思います。いつになるかわかりませんが、もしかしたらこの火曜市が途絶えてしまう、もしくは大幅に規模が縮小してしまう可能性もあります。
誰もが「高知らしい」と思える風景がいつまでも残っていってほしいと願い、今回の記事の終わりにしたいと思います。
火曜市の情報
場所 高知市上町4丁目~5丁目
店数 35店舗(その日によって増減あり)
期間 毎週火曜日(1月1日・2日を除く)
時間 午前6時から日没1時間前まで
その他 お店の準備や片付けも含めての時間です。また、日没1時間前よりも早く撤収をはじめるお店もあります。
駐車場 専用駐車場はありませんので近くのコインパーキングに駐車してくださいね。
路面電車 最寄り駅は上町4丁目もしくは5丁目です。
横浜市から高知市へ35歳で移住した田舎暮らしに憧れる編集長の小川みのる(@Twitter)です。1部上場企業を退職。家族の介護の為に高知へ。「よさこい、お酒に寛容な県民性、高知らしいレトロな建物」が大好き。サラリーマンをしながら日夜執筆活動をしています。次の世代へわたしの好きな「高知らしさ」をバトンタッチするためにウェブジャーナルを運営中。趣味でトレランをしています。