高知市からおはようございます。
毎日雨ばかりで洗濯物がすこしずつ臭くなりはじめ、少々気が滅入っている編集長です(笑)。
そんな時はコインランドリーが便利ですよね。最近ではペット用のランドリーや、スイッチを押すとドラム式の窓が曇り、中が見えなくなるようなものもあるそうです^^
私たちの生活はどんどん便利になっていきますね。
最近では、気づかない間に家の周りで【コンビニの新規オープン】が相次いでいます。昨年、高知市に初進出したセブンイレブンは高知市だけでもすでに30店舗。高知県では合計で40店舗にまで増えています。
少しずつ進む地方のオリジナリティの消滅
いま、高知市に住み【高知県にしかないサービス】というものを探すのが難しくなってきています。
コンビニ、居酒屋、ファミレス、衣料品、生活雑貨、医薬品、そしてネットでの購入と、、、その多くは【全国チェーン展開し、スケールメリットのある大手企業が提供をしている商品】なのです。
高知市の生活の一例
毎日の食料品の買い物はイオンの食品館。洗剤や化粧品などは全国チェーンのドラッグストアでまとめ買い。衣料品はユニクロや無印良品。生活雑貨は100円ショップのダイソー。書籍の購入はTUTAYAかAmazon。たまに飲みにいくとしたら安く済む全国チェーン店。気がつけば「今の生活って高知にいなくても成り立つんじゃない!!??」って思う日々を過ごす。
スケールメリットを取り入れた全国チェーン店の地方席巻

地方に住んでいるひとのほとんどが『大企業のスケールメリット』の恩恵を受けていると思います。安くてそこそこ美味しいものが溢れているんです。しかも無料駐車場付きのスーパーで大量に!!!
高知県では東京よりも給与所得が平均で10%ほど低いというのが統計に出ています。賃金が少なければ【安いもの】を買うのは当然のこと。これって仕方ないことなんですよね。

たとえば1リットルの牛乳。特にこだわりがなければ【大手乳業会社の128円で販売している牛乳】を買う方が多いのではないでしょうか。しかも、パッケージを見ただけでは【全国展開の乳業会社と地元の乳業会社の違い】は分からないと思います。
高知に限らず全国どこでも同じことが起きています。
なぜわざわざお金をかけて国内旅行に行くのか

それは【わざわざ行かないと体験できない】からなのです。
もし全国どこでも同じ値段で同じ品質の『藁焼きのカツオのたたき』を食べることができたら、「カツオが食べたいから高知へ行きたい!!」というひとが減るでしょう。
その土地でしか体験できないものがあるからお金をかけて旅行に行くのです。
しかし、実際に起きていることは【地方の金太郎飴化】なのです。どの地方都市に行っても【全国にある大手企業が提供するサービス】を受けているひとが大半なのです。
そのせいで、【昔から創業している老舗】と言われる商店が廃業に追い込まれているのです。
高知市のとある練り物を扱っている企業での一例

高知市で有名な練り物の会社があります。高知県民ならだれでも知っているメーカーですね。そのメーカーは『御畳瀬漁港』より、練り物の原材料となる魚を競りで購入しています。その地元の魚を15%近く原材料として使用してちくわやてんぷらを製造しています。
一方、全国で名をはせている水産加工会社では、ロシアから購入した冷凍のすり身を使用してちくわなどの練り物を製造しています。
当然、両社の価格差は歴然です。それがスーパーに並んでしまえば、消費者は【お買い得価格の安い練り物】を買うひとが多くなります。地元の魚を使っている水産加工会社は、さすがに価格を高くすることができず、採算ラインギリギリでスーパーに卸します。
一般消費者がそういう選択をしている限り、地元の水産加工会社の体力が徐々になくなっていくのは当然のことなんです。
オリジナリティのない地方都市に魅力はなし

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むかしから創業している商店が次々となくなっています。増えているのはコンビニや全国チェーン店ばかり。
私たちが全国チェーン店のスケールメリットを享受し続けるということは、高知にしかない商店がなくなってしまうということです。「そんなこと言っても今の生活が苦しい!!1円でも安いものを買いたい!!」。その意見も尊重しなければなりません。
しかし、何度もいいますが、私たちの今なされている選択は【オリジナリティなき高知県】を現実のものにし続けているのです。ただし、私たちの普段の生活をすこーーし変えるだけでも【高知のオリジナリティ】を残すことはできるのです。
高知らしさを残す小さな取り組み
・スーパーで2回に1回だけ地元メーカーの商品を買ってみる。
・週1回だけ地元の和菓子店でおやつを買ってみる。
・週1回地元の商店街で買い物をしてみる。
・居酒屋は高知のお店に行く。
・3回に1回ぐらいお肉を【高知県産】にしてみる。
こんな些細なことだけでも高知県内の経済は間違いなく活性化するはずです。毎日の生活でたまーに【価格】ではなく【価値】でサービスを選んでみることが大事なんじゃないかな~って思う編集長なのです。
10年後、20年後も全国チェーン店のスケールメリットには負けない【高知らしさ】を魅力に感じ、多くの観光客が訪れる高知県であり続けることを願っています。

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横浜市から高知市へ35歳で移住した田舎暮らしに憧れる編集長の小川みのる(@Twitter)です。1部上場企業を退職。家族の介護の為に高知へ。「よさこい、お酒に寛容な県民性、高知らしいレトロな建物」が大好き。サラリーマンをしながら日夜執筆活動をしています。次の世代へわたしの好きな「高知らしさ」をバトンタッチするためにウェブジャーナルを運営中。趣味でトレランをしています。