坂本龍馬が足繫く通った田中良助旧邸。歴代の田中家の努力もあり、今でも江戸時代のまま建物が残っている

坂本龍馬が小さいころから通い続けた田中良助旧邸が当時のまま現存されている。

坂本龍馬の坂本家が所有をしていた高知市柴巻からこんにちは。

坂本龍馬のファンであり、実家の近くに長州藩邸があったことから、幕末や明治維新の時代をこよなく愛する編集長の小川です^^

坂本龍馬が暗殺されてから151年を迎える今日、坂本龍馬のゆかりの建物は災害や戦争、老朽化などでその多くがなくなりました。そんな中、高知駅から北に向かって車で20分ほどのところにある【高知市柴巻】という地に【坂本龍馬が足繫く通ったところが今も残っている】のです。

江戸時代より長きにわたり家屋を残すことはお金も労力もかかります。【多くの人に坂本龍馬のゆかりの地に来てほしい】という思いから、現在も苦労を乗り越え維持をされてきた田中家7代目【田中照久さん】にお話しをお伺いしてきました。

 

坂本龍馬が足繫く通った高知市柴巻にある【田中良助邸】とは

ここが【旧田中良助邸】です。正確に言えば【田中家7代目当主が子供の頃まで住んでいた家屋】です。

というのは、坂本龍馬が足繫く通ったのは【2代目の田中良助】だったころのはなし。坂本龍馬が江戸の剣術修行から戻ってきた164年前のことなのです。当時坂本龍馬は19歳。もともとこの柴巻の山は坂本家が所有をしていました。田中家はその坂本家から一部土地を購入し、耕作をして生活をしていたそうです。

 

田中良助と坂本龍馬は、碁を打ったり、酒を交わしたり、とても親交が深かったとのこと。また、江戸へ剣術修行に行っていた坂本龍馬は、近所に住む子供たちにも剣術を教えていたそうです。

坂本龍馬が田中良助邸へ訪れる際は夜更けまで日本の将来についてここで熱く語っていたのでしょう。そんな坂本龍馬に深く関係がある建物が164年前のま当時のまま現存しているというのはとても貴重なことなのです。

 

田中家で代々語り継がれている話として、坂本龍馬がこの縁側でよくお昼寝をしていたとのこと。陽射しがつねにそそがれるこの縁側での昼寝がきっと大好きだったんでしょうね。

そして、この縁側も【当時、坂本龍馬が昼寝をしていた縁側そのもの】だとのこと。建物の修復工事はしたものの、ほとんどの木材は一部の柱を除いて162年前に坂本龍馬が訪れたときのままなのです。

そんな歴史的建造物が【触っても座ってもOK】というのだから驚きですよね。普通なら【重要文化財に指定】され、指一本触れることができないでしょう。

 

建物の中は162年前の当時のままだそうです。田中家の7代目である田中照久さんが子供のころまでこの家に住んでいました。いまは誰も住んでいないことや、修復等にかなりの費用がかかるということもあり、旧田中良助邸を高知市に寄付をしたため、建物の維持管理のみをされているのです。

当時、坂本龍馬が寝泊りしていた家屋へ実際に入れるなんて感動ですよね。入場料を払ってでも入る価値ありだと思います^^

 

ところどころに見える柱も黒ずんでおり、150年という歴史の長さを感じますね^^

 

きっと、ここで坂本龍馬と田中良助が暖をとりながらお酒を酌み交わし、この国の将来について語っていたことでしょうね。でも、7代目の田中照久さんにお伺いしたところ、田中さんがここで寝ていたときはこの暖炉はなかったそうです。家屋の修復をする際に【暖炉】が発見されたそうです。

 

ここでは訪れた方々が記帳していくのですが、書かれているのは1日だいたい1組。高知市とはいえ中心街から車で20分ほど山を登ったところにあるため、わざわざお越しになるのはごくわずかなんですね。

遠くは北海道や九州などから来ていらっしゃるようでした^^

意外と高知県内の来客が半分を占めていたのには驚きです。

 

 

田中家7代目【田中照久さん】にお話しをお伺いしました

編集長「田中さん、今日はお忙しいところ取材させていただきありがとうございます。坂本龍馬や2代目の田中良助さん、またこの旧田中良助邸についてお話しをお伺いさせていただきます。」

田中さん「こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。」

編集長「さっそくお聞きしたいのですが、坂本龍馬が田中家に来ていたときの話しはどんなことが受け継がれているのですか!?」

田中さん「そうですね。色々話は聞いています。例えば、龍馬さんがそこにある縁側でよく昼寝をしていたことや、この家の庭で剣術の練習をしていたという話。また、江戸へ剣術修行に行っていたので近所の子供たちにも教えていたと聞いています。」

 

田中さん「龍馬さんはこの池で子供たちをたらいに浮かべて水遊びを楽しんでいたみたいです。」

編集長「ちなみに坂本龍馬が住んでいた高知市上町からこの柴巻って結構遠いですよね。大人の足でも1時間半近くかかるんじゃないですか!?」

田中さん「そうですね。結構遠いですよね。でも昔のひとは歩くしか手段がなかったから。しかも、今のように車が走る道じゃなく、山の麓から比較的一直線の道があったのでそれほど時間はかからなかったと思います。ちなみに今でもその龍馬さんが通った道は残ってますよ。まあ舗装されていない林道だから歩くのは大変ですけど。僕が子供のころはその道を歩いて麓にある学校まで通っていました。雨が降った日はもう大変でしたよ。」

編集長「へー。今でも龍馬さんが通った道が残ってるんですねー。ところで、今でもこの柴巻の旧田中良助邸まで歩いてくる人っているんですか!?」

田中さん「結構いますよ。円行寺っていう山の麓にあるところがバスの終着駅なんだけど、そこから1時間くらい歩いて登ってきます。結構大変だと思いますよ。なかにはあまりに疲れてこの旧田中良助邸でお昼寝していく人もいます。」

編集長「坂本龍馬も寝た縁側でお昼寝なんていいですねー。ところで、この旧田中良助邸にはどれくらいのお客さんがいらっしゃるんですか!?」

田中さん「多いときで1ヵ月に100人ぐらいかな。毎週金曜から日曜日までの3日間だけ開館しているんだけど、だいたい1日1組ぐらいですね。」

編集長「結構少ないんですね。もっとたくさんいらっしゃると思っていました。」

田中さん「街から離れているし、車がないと不便ですからね。そういえば、この前俳優の小栗旬さんがいらっしゃいましたよ。大河ドラマで龍馬役をやるので勉強のために訪れたそうです。まわりのひとに知れると大変だからってお忍びで来てました。」

編集長「へー、小栗旬さんですか!!すごいですね。確かに知れ渡ると大変なことになりますもんね。」

田中さん「私の義兄が訪問依頼を受けたんですが、「小栗旬が来ることはくれぐれも周りの人に伝えないでください」と言われたみたいで、身内のわたしにも内緒にしていたんですよ(笑)。まあ結果的に騒動にならなかったんでよかったんですけどね。」

 

編集長「旧田中良助邸を維持管理するうえで大変なことはどんな点ですか!?」

田中さん「とにかく草刈りですね(笑)。この建物の周りだけ草刈りをすればいいわけじゃないですからね。夏の間は同じところを5回は刈りますよ。一通り刈り終わったら始めに刈った場所にはもう草が生えてますからね。しかも、建物の裏側には木が生い茂ってるから、冬の間は木こりになって木を切っています(笑)。」

編集長「ほんと大変なんですね。台風がきたときは特に大変じゃないですか!?」

田中さん「そうですね。ちょうどこの建物の上に【八畳岩(はちじょういわ)】というところがあるんです。そこも龍馬さんが昔よく訪れていた場所なんです。高知市からは八畳岩へ行く林道の管理まで委託はされていないんですが、この前の台風の時は木がなぎ倒されていて、人が通ることができない状態だったんですよ。高知市に相談しても対応が難しいということだったので、私たちでなんとか倒木を処理しました。かなり大変でしたね。」

編集長「家屋の維持管理についての点はどうですか!?」

田中さん「屋根瓦が大変でしたね。今は新しく復元した本瓦を使っています。高知県では当時の瓦を復元できる職人さんがいなかったんです。なのでわざわざ京都の職人さんへ依頼して作ってもらったんですよ。」

編集長「えー!!京都の職人さんへ依頼されたんですか!?」

田中さん「そうなんです(笑)。しかも、通常瓦を葺(ふ)くのに1~2日で出来るんですが、1つずつ手で編んでいく手法だったみたいで、すべての瓦を葺くのに1ヵ月近くかかりました。おかげでわざわざこの本瓦を見るためだけにくるお客さんもいるぐらいです(笑)。結構めずらしいみたいですね。」

 

田中さん「古い瓦については落下して使い物にならなくなったので縁側の下に置いてあります。それが実際に旧田中良助邸で使われていた瓦なんです。」

 

編集長「たしかに普通の瓦とは違いますもんね。ずいぶん費用もかかったんじゃないですか!?」

田中さん「そうなんです。なのでこの建物に私たちが住んでいなかったというこもあり、旧田中良助邸を高知市に寄付をしました。修復にかかった費用は高知市が負担をしています。」

編集長「この復元レベルになると個人では費用を負担できないですよね。」

田中さん「個人では難しいですね。あと、家屋の維持については開館日以外も窓や扉を開けて空気の入れ替えをしています。畳の水拭きなんかもしていますね。たまに扉を開けて喚起をしていると虫が入ってくるのでその辺も注意しています。また、鳩のふんなどが壁についたりするのも大変ですね。ゴシゴシこすると壁の色合いが変わってしまうので、布を水に濡らし軽くふき取る程度しかできないんです。」

編集長「ほんとに手のかかる作業が多いんですね。」

田中さん「そうなんです。なので、せっかく手入れして維持管理をしているので、出来るだけ多くの人にこの田中良助邸に来てほしいですね。」

 

編集長「来客についてのお話が出たところなんで1点お伺いします。こちらの旧田中良助邸に来館するにあたってお客さんへお願いしたいことはありますか!?」

田中さん「そうですね~。ゴミを捨てたり木々を折ったりしなければ特にはありません。車で来る場合はこの旧田中良助邸の入り口から少し上に行ったところに【八畳岩】の入り口があります。少し広いスペースがあるので、そこに駐車してもらえればいいです。」

編集長「ありがとうございます。最後にお伺いさせて頂きます。田中照久さんは今7代目ということですが、8代目以降も引き続きこの旧田中良助邸を維持管理されていくお考えはありますか!?」

田中さん「そうですね。子供はいるんですが、私と同じようにこの家屋を維持管理してくれるかどうかはわかりません。そうなったらいいとは思います。とにかく、坂本龍馬が訪れた場所として唯一証拠が残っているこの施設は今後も何らかの形で残していきたと考えています。」

編集長「田中さん、今日はお忙しいところ本当にありがとうございました。旧田中良助邸の維持管理はとても大変だと思います。もっと多くのひとにこの地を訪れてもらえるよう私も協力させていただきます。」

田中さん「こちらこそありがとうございました。」

 

さいごに:インタビューを終えての感想

田中照久さんとは40分ほどお話させていただきました。以前は美容師として市内で働いていらっしゃったんですが、いまは引退され田中家7代目としてこの土地を守っていらっしゃいます。

坂本龍馬がドラマや映画で取り上げられれば【旧田中良助邸】も注目され多くの観光客が訪れるそうですが、日常では週末に1日1組しかお客さんがいらっしゃらないときもあるのが現状です。

そのために、田中さんは建物のまわりだけでなく、お客さんがお越しになる道筋の草抜きから、木々の管理まで非常に多くの時間を費やされていました。

しかし、口では大変とおっしゃっておりましたが、坂本龍馬のファンが1日1組でもいらっしゃることが嬉しく、今後も【現存】させるための使命感をヒシヒシと感じた編集長なのでした。

 

取材をさせていただいた感想として、田中照久さんはとっても気さくな方でした。元々美容師をやってらっしゃったということもあり話しがとても面白くわかりやすかった印象です。そして、なにより私が遠慮してお聞きできなかったことでも、田中さんからフレンドリーに話してくださりました。

歴史的にも建造物の価値からしても、圧倒的に訪れる人数が少ないように思います。場所が遠いのでなかなか訪れるのは難しいかもしれません。

しかし、資料館のガイドから話を聞くのもいいですが、坂本龍馬と関わった田中良助の子孫の田中照久さんがいらっしゃって、その時のままの建物が残っており、当時の坂本龍馬のことをお話しをしてくださるなんてこんな貴重なことはなかなか体験できないと思います。

坂本龍馬や高知の歴史に興味をお持ちの方にはぜひ訪れて欲しい場所だと思います。

 

田中良助旧邸資料館について

住所 高知市柴巻381

休館日 毎週月~木曜日、年末年始

開館時間 10時~17時

料金 無料

駐車場 「八畳岩」入口にある広いスペースに駐車してください。2~3台分は駐車可能だと思います。

その他 「八畳岩」の駐車スペースから直接「田中良助旧邸資料館」へ行くことができます。


 

横浜市から高知市へ35歳で移住した田舎暮らしに憧れる編集長の小川みのる(@Twitter)です。1部上場企業を退職。家族の介護の為に高知へ。「よさこい、お酒に寛容な県民性、高知らしいレトロな建物」が大好き。サラリーマンをしながら日夜執筆活動をしています。次の世代へわたしの好きな「高知らしさ」をバトンタッチするためにウェブジャーナルを運営中。趣味でトレランをしています。

「土佐の街路市」完全ガイド!!移住後4年間通い続けている僕が魅力を教えるよ!

坂本龍馬が子供の頃から見ていた八畳岩からの太平洋を望む絶景

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