第2話「お豆腐屋の使命」

高知市土居町からこんにちは。
美味しいご飯に梅干しや焼き魚、お味噌汁があるとわくわくしてしまう和食好きの編集長の小川です。

さて、今回は『私の豆腐に対するイメージが覆った豆腐屋の豆腐』があるということで取材をしています。前回は『豆腐のイメージを変えたい』ということで、高知市土居町にある豆腐屋『下田食品』をご紹介いたしました。

第2回目の今日は、下田食品4代目である下田知加さんにインタビューをしました。お豆腐や豆腐屋の現状や未来について色々想いを語ってくださいました。

トーク①「お豆腐はもやしと同じレベルで扱われる」

ショーケースに気を配る4代目

ーー今回はお忙しいところお時間を頂きありがとうございます。下田さんはテレビやラジオ、YouTubeなど、今まで多くの取材を受けてきたと思います。なので、今回私からの取材は今までお話しされていないことを中心にインタビューができればと思っていますので宜しくお願い致しますね。
 早速ですが、下田食品さんのお豆腐はどんなところへ出荷しているのですか?

下田知加さん そうですね。今は小学校、中学校、高校、病院、居酒屋さん、お寿司屋さん、うどん屋さんなどです。私が高知に帰ってきた時はスーパーへ商品を出荷していたんですが、今はナンコクスーパーへ厚揚げを出荷している以外は、一切スーパーへ出荷していないです。


 ご年配の方々は下田食品のお豆腐がスーパーで売っていた記憶がありますから、「どのスーパーでお豆腐販売していますか」という質問をよくいただきます。


 残念なことに若いひとには下田食品のお豆腐はほとんど知られていないのが現状なんです。でも小学校にお豆腐を卸しているので、子供たちは下田食品の豆腐と知らずにうちのお豆腐を食べてくれているんです。

ーースーパーにお豆腐を出荷しない理由を教えてください。

下田知加さん 3代目にあたる私の父は以前スーパーにお豆腐を出荷していました。私が子供のころ、製造工場では今よりもたくさんの従業員が朝から夜まで働いていました。休憩してはすぐに作り始めるという感じでした。


 しかし、スーパー側からの価格に対する要望に応えるのが難しくなってきたことから、父はスーパーへの出荷をしないという選択肢を選びました。なので、私が高知に戻ってきたときには、子供の頃の時にくらべ従業員もお豆腐をつくる量もだいぶ少なくなっていました。スーパーにお豆腐を卸さないということはこういうことなんだと思いました。


 下田食品のことを思ってくださる方々から今でも「スーパー紹介するよ」と、おっしゃっていただいており、そのことはとても感謝しています。

常にテキパキ動き回る4代目

ーースーパーにお豆腐を出荷している時は大変だったんですね。たしかにスーパーで買い物をしていると、いつも1丁98円で売っているお豆腐がセールの時には78円で売ってます。48円のお豆腐なんて38円ですよ。結局、仕入れ値の値引き要求がスーパー側からお豆腐の製造メーカーによくあるんでしょうね。わたしも以前食品問屋の仕事をしていた時はスーパー側からの要望に苦労していました(笑)。

下田知加さん わたしもスーパーでお豆腐コーナーによく立ち寄るんですが、つい他社お豆腐を並べてしまうんです(笑)。お豆腐がかわいくてしょうがないんですねきっと。

めっちゃふわふわした食感。はんぺんを食べているような不思議な感覚です。

ーー店員でもないのにお豆腐なれべちゃんですね(笑)。そんなかわいくてしょうがないお豆腐についてですが、どうやったら今後今よりも多くのひとにお豆腐を食べてもらえるようになるとお考えですか。

直売場には妹さんの姿もお見かけします。

下田知加さん まず私自身がお豆腐の勉強をもっとして、たくさんの人に豆腐のことを知ってもらいたいですね。「豆腐ってすごく労力と手間暇がかかるんですよ」って伝えたい。私たちは大量生産じゃないから余計そう思うんです。

 春夏秋冬で水につける温度も時間も違う。日によって変えたり、何かおかしいと思ったら『にがり』の量を増やしたり減らしたりします。全部手作業なんで『にがり』の量も常に微調整しています。

 それくらい手間暇がかかっていて大事なものなんです。だから他社のお豆腐でも綺麗に並べてあげたくなるんです(笑)。

 

ーー日によってお豆腐をつける水の温度やにがりの量を変えるんですね。とても大変な作業だということがわかります。そんな大事に作られたお豆腐なら毎日でも食べたいですね。

高知県産の大豆を使ったお豆腐。なんだか親近感が湧きます。

-下田知加さん-
 ありがとうございます。ただ、毎日『百年豆腐』を食べる必要はないと思ってます。普段は近所のスーパーで売っている特売のお豆腐でもいいと思っています。友人や家族と一緒に鍋や湯豆腐を食べるときは『ちょっといいお豆腐』を食べて欲しいですね。
 例えば、誕生日の時はみんなでケーキを食べると思いますが、お豆腐もそんな風になって欲しいと思ってるんです。お豆腐なら0歳の乳幼児から90歳のおじいちゃんまでみんなで食べることができます。

-編集長-
なるほど。たしかにお豆腐なら老若男女問わず食べることができますよね。誕生日に『お豆腐』っておもしろい発送ですね(笑)。

トーク②「お豆腐屋の使命」

下田食品のもめん豆腐。まな板の上に凛と立っているように見えます。

-編集長-
「お豆腐屋の使命」ってなんだと思いますか。

-下田知加-
うーん、そうですね~。
お豆腐を食べることでそのひとの『本来の力』を呼び覚ますような豆腐を作ることかなと思ってます。

豆腐って食べるとなんだか身体が喜んでいるような気が。。編集長が作った味噌汁です(笑)

-下田知加-
 まだ豆腐業界に入ってきて日が浅い私ですが、大豆って本当に素晴らしいもので、身体にも心にも良いと思うんです。日本人の身体や体質に合っているんだと思います。だから原点にもどってお豆腐の大切さを思い出してほしいと思っています。
 昔はご飯にお豆腐の入ったお味噌汁、お漬物だけという一汁一菜だっが多かったんですが、きっと今よりみんな健康だったと思うんです。豆腐ってそれだけ身体に良いものなんです。私たちはそういう日常生活に欠かせないお豆腐を作れるお豆腐屋を目指しています。

-編集長-
なるほどー。素敵な考え方ですね。
たしかにマグロの大トロとかA5ランクの和牛って、口にいれた瞬間にダイレクトに脳へ「すごく美味しい」が伝わりますよね。しかし、お豆腐の入ったお味噌汁は「普通においしい」ですが、食べるとほっとするというか、身体が喜んでいるような感覚がありますね^^

トーク③「伝統は守るもの?それとも変えていくもの?」

こんなに身体が美味しいと感じる豆乳をはじめて飲みました^^

-編集長-
下田知加さんは下田食品の4代目ですが、その4代続いている『伝統』は今後守っていきますか。それとも改革していきますか。

-下田知加-
変えていきたいと思っています。
 ただ、絶対に曲げてはいけないのとか本質的なものは残していかなければいけないと思うんです。「曲げてはいかんことは曲げず」、あとは変えていこうと思っています。

-編集長-
「曲げてはいかんことは曲げず」とはどんなところですか。

この土居町は、空襲での火災と南海地震の津波がほぼ同時期に発生し大きな被害が発生した。

-下田知加-
 下田食品の初代『下田嘉之介』は私の曾祖父なんです。もちろん曾祖父とは一度も話したことはありません。でも曾祖父は絶対に『私利私欲がなくひとのために』お豆腐屋をやっていたんだと思うんです。
 2代目の祖父は、戦争による空襲と南海地震による津波で家族を全員亡くしてしまったんです。しかし、戦争から帰ってきた祖父は家族もいない焼け野原から立ち上がり、まわりの人のために当時貴重だった大豆を闇市で必死に集め豆腐をつくりはじめたんです。
 そして、何もないところから学校や病院を建てるために奔走しました。『私利私欲ではなくひとのために尽くす』という曾祖父の想いが伝わっていたんでしょうね。
 『曲げてはいかんことは曲げず』、下田食品は伝統を曾祖父、祖父、そして父から私たち兄弟へと受け継がれてきました。なので、お豆腐作りを通して『食べるひとが心も身体も元気になって欲しい』と思うんです。

-編集長-
 過去にはとても辛い出来事があったんですね。普通なら辞めてしまおうと思っても不思議じゃないと思います。

 『100年』以上続くということは戦争を乗り越えて受け継がれてきているということ。それは私たち戦争を経験していない世代からすると想像を絶する出来事なのですね。受け継がれた初代の想いはしっかり今の下田食品の土台となっているんだなあと色々とお話しをお聞きしながら感じました。

 まだまだ4代目下田知加さんへのインタビューは続きますが今回はここまで。ぜひ次回の最終話をお楽しみください。

(有)下田食品 住所 高知県高知市土居町6-1

店舗名 felille bois フェリル ボワ

定休日 水曜・日曜日

営業時間 9:00-16:00

電話番号 088-831-5028

駐車場 2台

HP  下田食品〜 felille bois 〜

Instagram felillebois

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